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(最終更新:2022年11月23日)
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ギフテッドとHSPの違い|保護者ができる子どもへの支援方法4選

子育ての中で直面する悩みのひとつに、子どもの発達に関する悩みがあります。 子どもの発達が人よりゆっくりというのは不安なことです。 しかし、反対に早すぎる発達も悩みの原因になります。 今回は、発達が早く想像以上の才能を発揮する「ギフテッド」と呼ばれる子どもと、「ギフテッド」の保護者ができる支援について紹介します。

ギフテッド・HSPとは?

ギフテッドとHSPには共通点が多いといわれています。

そのため、発達の途中にある子どもが、ギフテッドなのかHSPなのかを混同することもあります。

子どもの発達を見ていく上で、両者の違いを知ることが大切です。

1.ギフテッドの定義と特徴

まずは、ギフテッドの定義について説明します。

ギフテッドとは、英語のGIFTを語源とした、生まれながらに非常に高い特定の能力を持っている人を表した言葉です。

ギフテッドに見られる特徴を4つ紹介します。

子どもによって突出する能力は様々であるため、ここで紹介する特徴は、あくまでも一例です。

①学習能力が高い

未就学児(1〜6歳)は、まだ学習能力が未成熟な段階です。

しかし、ギフテッドの子には、物覚えが良い、自分の思考をまとめるスピードが早いなど、学習能力が高いことがあります。

②記憶力に優れている

メディアなどで、円周率を何桁も覚えている人を見たことがある方も多いでしょう。

ギフテッドの中には、子どもながらに同様の優れた記憶力を持つ子どもがいます。

③関心のある分野が極端に広い(狭い)

ギフテッドの子どもは、学習能力が高い分、同世代の子どもと比較すると、関心のある分野が極端に広くなることがあります。

言い換えれば、認識できる範囲、意識できる範囲が広いともいえるでしょう。

反対に、集中力が高い子どもの場合、ひとつの事に集中する、こだわるというように、関心のある分野が極端に狭くなることもあります。

④物事を論理的に考えることが好き

1〜2歳の頃に「なぜなに期」と呼ばれる時期があります。

たとえば、「なんでリンゴはリンゴっていうの?」「なんでお空は青いの?」など、何に対しても理由を求める時期です。

「なぜなに期」から少しずつ論理的な思考が発達し始めます。

ギフテッドの場合、論理的な思考の成長が早いです。

そのため、未就学児には理解が難しい「勇気」や「友情」などの抽象的な概念まで理解が可能です。

2.HSPの定義と特徴

次に、HSPの定義と特徴について見ていきましょう。

HSPは、DOESと呼ばれる

  • 物事を深く処理ができる
  • 刺激を受けやすい
  • 感情的に反応しやすい、共感力が高い
  • 些細な刺激を察知できる

以上の4つの特徴があります。

HSPの子どもの場合、HSC(Highly Sensitive Cild)と呼ぶことがあります。

子どもであってもHSPの特徴に変わりはないです。

今回は「HSP」と統一して説明していきます。

①刺激に敏感

HSPの方は様々な刺激に対して敏感です。

大人であればコミュニケーションの中での、非言語と呼ばれる、言葉以外の声の大きさや声のトーン、表情などの刺激が取り上げられます。

一方子ども場合、まだコミュニケーション能力が発達途中のため、

  • 「セーターがチクチクする」
  • 「電気の光が眩しい」

などの、五感への刺激を訴えることも多いでしょう。

②慎重に行動する

物事を深く考える特徴のあるHSPの方は、慎重に行動をします。

そのため、周りの大人からは、怖がりな子であったり、行動の遅い子であったりと感じることもあるでしょう。

③他人との境界線が薄い

共感能力が高いHSPは、他人のことを自分のことのように感じることができます。

しかし、自分のこととして捉える分、他人と自分の境界が曖昧になり、境界線が薄くなる傾向にあります。

そのため、テレビの過激な暴力シーンや悲しいシーンなどには、注意をしなければなりません。

④芸術性に優れている

感受性の豊かなHSPは、芸術性に優れているといわれます。

多くの刺激を受け、些細なことにも感動することが出来ます。

そのため、受け取った感情を豊かに表現することができるのです。

ギフテッドとHSPの違い

ここまで、ギフテッドとHSPについて解説してきました。

ギフテッドとHSPの両者に共通する特徴は、

  • 刺激への敏感さがある
  • 創造性、芸術性に長けている
  • 好奇心が強い
  • 思考が深い
  • 持って生まれたもの

一部ではありますが、以上のような共通点が挙げられます。

では、今度は反対に、ギフテッドとHSPの違いについて見ていきましょう。

ギフテッドは、「天、神からの授かりもの」「天賦の才」の意味を含んでいて、持っている才能に注目しています。

対して、共感能力や刺激に対しての感受性など、HSPが持っている気質に注目しています。

生まれ持った能力という共通点はあります。

しかし、才能に注目するギフテッドと気質に注目するHSPの違いがあります。

ここまで、ギフテッドとHSPの共通点と違いについて解説しましたが、実は、ギフテッドには決まった定義はなく、アメリカでは州によっても定義が変わります。

そのため、どの定義を取り上げるかによって、HSPとの違いや共通点も変わることがあります。

ギフテッドを判断することは難しい

HSP以外にも、ギフテッドは神経発達症候群(発達障害より2013年MSD-5、2018年ICD10にて名称変更)とも併せて考えられます。

発達段階の途中にある子どもの場合、肉体的にも精神的にも、まだ発達しきっていないため、発達に遅れがあるのかを判別することは難しいです。

同様に、ギフテッドと精神発達症候群(発達障害)の判別も難しくなります。

しかし、両者を判別することが大事なのではなく、それぞれの目的を考えることが大事なのです。

ギフテッドは、生まれ持った、今ある能力に目を向けることを目的としています。

反対に、精神発達症候群(発達障害)は、社会で生きていくことに支障がないか診断し、治療していくことが目的です。

このように、子どもとの関わりの中で、目的とするものによって見方を変えることが、子どもの発達を見ていく上で重要な視点になります。

保護者ができる子どもへの支援方法

ギフテッドの子どもは、学習能力が高く、論理的な思考ができるため、理解力も高い子も多いでしょう。

しかし、あまりに能力が高い分、

  • 同世代の子どもとのコミュニケーションをうまくはかれない
  • 小学校の授業のレベルが合わない

など、ギフテッドの子ども特有の問題も出てきます。

理解力が高いが、発達はまだ未熟なギフテッドの子どもに対して、どのような支援の方法があるのか、紹介していきます。

1.学習環境を工夫する

ギフテッドの子どもは、学習能力が高いため、学年に合わせた授業内容は、すぐに理解ができてしまいます。

そのため、授業内容をつまらないと感じやすいです。

また、授業に集中できなかったり学校へ行きたがらなかったりすることも多いです。

その子に合わせて学習内容のレベルを上げてあげることで、本人の長所を伸ばしつつ知的欲求を満たしてあげることができるでしょう。

2.興味関心のあるものを経験させる

ギフテッドは興味関心の幅が広いため、やりたいこと、知りたいことが人一倍多いです。

学習能力の高さや論理的思考などは、日常生活でも気づきやすいですが、音楽などの芸術性や運動などは経験をしないと、その能力に気付きづらくなります。

子どもの可能性に気付くためにも、また本人の好奇心を満たすためにも、興味関心のあるものを経験させるのが良いでしょう。

3.苦手よりも得意に目を向けてあげる

様々な能力に長けているギフテッドにも、苦手なことはあります。

具体例として下記の3つが挙げられます。

  • こだわりが強く妥協できない
  • 同世代とのコミュニケーションがうまく取れず共同作業ができない
  • 単純作業ができない

このようなことが苦手なギフテッドの子どもが多いです。

高い能力を持っている分、苦手なことがより目立つということもあるでしょう。

苦手を補うほどの長所があるギフテッドの子どもには、苦手に注目するのではなく、得意なことに目を向けるように意識してみるのが良いでしょう。

4.他の子どもと比較しない

ギフテッドは様々な能力が高いため、全ての面において、同世代の子どもより能力が高いと考えてしまうことがあります。

そのため、他の子どもと比べて「できないのはなぜなのか、できるはずだ」と比較してしまうこともあるでしょう。

しかし、前述したようにギフテッドにも苦手なことはあります。

ギフテッドの子どもに限った事ではありませんが、人と比較されることは、自信を失ったり、心に傷がついてしまったりします。

他の子どもとは比較をせずに、その子個人を見るようにしてみてください。

まとめ|子どもの個性を尊重していきましょう

ギフテッドだけが特別なのではなく、どんな能力を持っていたとしても、それら全てが個性です。

持っている個性を親がどう捉えるのか、どう考えるのかは、子どもの価値観や個性の成長に大きく影響をします。

ひとつの能力にこだわったり、苦手に目を向けたり、他の子に比べて遅れている発達に目を向けたりし過ぎずに、それぞれの個性を一つひとつ尊重していきましょう。

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